Obelix Trophy Race Report 5月1日  

Y.5月1日 レース1日目スタート


9時にフランス人クルー11人全員集合

8人は、パリで働くビジネスマンで、セイリングのプロは、セイルメーカーのフィリップ1人だが、このクルーメンバーは、フィリップのヨット仲間でフランスの海岸線をMUMM30で1周するツールドフランスでフィリップがヘルムをとった時に一緒に乗った優勝メンバー達。次回のアドミラルカップに出場するクルーもいる優秀なセイラー達だ。
残りの2人は、ブルターニュの地方都市の電話会社で働くビジネスマンとビジネスウーマンのアン。

この2人は、MPROのメインセイルくらいの狭いアパートに一緒に住んでいるそうで、アンがフォアデッキ担当、もう1人がタクティシャン担当となった。

アンは、刺激的なポジションが好きだそうで、レース中でもすぐマストに駆け登っていた。チャンスがあればスタートの緊張を味わいたいのでヘルムをやりたいと言っていた。

日本人以外、外人?は全員フランス人クルーだが、船での公用語は英語。

フランス人は全員、英語も堪能で、パリで働くホワイトカラーは、英語は最低条件だそうだ。学校でも10歳くらいから習うそうだ。

フランス人は、英語をしゃべらないのでは、なんて彼らに質問するのは、日本人にフジヤマ・ゲイシャの話題をするくらい時代錯誤の質問
フィリプがスキッパーズミーティングに行く。


強風のためスタート時間が遅れているようで、11時にマリーナで今朝、ハーバー内のカフェで買って用意していたバケットのランチを全員で食べる。

 

午後1時にやっとマリーナから出航して行く。

両側の岸壁の上に別荘が林立する河口を何百艇のヨットが出航して行く中を進んで行くのは感動的だ。



海上でセイリングしながらスタート時間待ち。

スタート時間とレースコースの指示は、VHF無線で直前にあるので、フランス語を母国語とするクルーがいないとレースにならない。

以前、イギリスのカウズウイークレースに参加したときもレースの指示は、VHF無線で直前に行なわれていました。




第1レースが、3時スタートと連絡がはいる。コースは、上下のソーセージコースだが、フランスではバナナコースと呼ぶそうです。上と下のブイにそれぞれ15艇身位はなれたウエザーマークが打ってある。このコースを2回廻ってフィニィッシュ。

風は、大分落ちてきて20ノット程度となる。

海は、風があっても波長が大きいせいか穏やかに感じられ白波が立つことも少ないく、船の乗り心地はいい。


1レースは、このチームの最初のレースなので無理をせず手堅いレースをし船とチームにまず馴染むようにとフィリップからクルー一同に訓示。

ジェネラルリコールのあと
2回目のスタートでいよいよレース開始。
IMX45が2艇とベネトウのスペシャルメイドボート、センチュリオン45が1艇、それにMPROJECTの4艇が先頭集団を形成。



この45ftの3艇は、マスト、ブーム、ラットなどリグがオールカーボン仕様のレースボート。

やや遅れて、IMSワールド優勝艇のPAPREC(オーナーが紙のリサイクル業者でPaper Reycleが艇名の由来)とMPROと同じ造船所建造の新艇A40がついてくる。

上マーク回航は、3番手位だが無理をせず、余裕をもってマーク回航。

ランニングになると圧倒的なスピードがあり、みるみる先行艇に追いついてゆく。

下マークでもジブセイルを早めに揚げ、手堅く回航。

軽風クローズでIMXがやや有利で、フリーで追いつく展開。

2時間弱でフィニッシュする。IMX45に続いて2番手のフィニッシュとなる。


今日は、もう遅いのでレースは終わりかなと思っていると、VHF無線で第2レースの指示が入る。
今日は、本部艇より、全艇ライフジャケット着用の指示もだされる。

第2レースは、午後5時30分スタートで沖のブイを廻ってマリーナ入り口あたりに設定されたラインにフィニッシュするようだ。


風は、20ノット強で、沖のブイまでのクローズの走りは、4艇が入り乱れて先頭を争っていたが、ブイ回航後のフリーのスピンランで、トップの位置をキープし、そのままフィニッシュ。午後7時30分。

マリーナの入り口がゴールラインという粋な設定なのですぐマリーナに帰れ、一番いいポンツーンに係留する。8時すぎまで片付け、あと、レース本部が用意した会場で生ビールのサービスを受け、お疲れさんの乾杯。9時くらいまでは、明るいので、目一杯レースも楽しめる。


9時からフランス人クルー11人と日本人5人の16人全員集合でで、ディナーパーティー。昨日と同じ海鮮レストランの「Le Transat」今日も、海鮮盛り合わせのフル・ド・メールをまず、12人前注文する。1人前の量が日本の倍はあるので相当な量である。

パリでは、新鮮なおいしいものは、高すぎてなかなか食べれないそうでパリから来たクルーも嬉しそうにがんがん食べている。海辺のブルターニュならではの幸せ。また、クルーの半分位は、ブルターニュ出身で、なつかしい味のカキや蟹をたらふく食べて幸せそう。

海の幸のあとは、ヒレステーキを食べる。ワインは、2本ずつ追加注文しないと間に合わない。ワインだけで15本は空いたようだ。

今回、集まってくれたクルーは、パリから車で6時間ぶっ飛ばして駆けつける。「大変だな」と言うと「何が大変なのか?車で、6時間がお前はほんとうに大変と思うのかと」言われてしまった。この感覚、見習わなくては。

みんな海辺のブルターニュが好きで、ここで暮らしたいが、刺激的でよい仕事はパリでないと見つからないから、パリで働いているんだとのこと。

クルーは、優秀なビジネスマンでもあるようで、有名なグローバル企業やコンサルタント会社など一流企業で働いている。

25才独身のクルーの働くパリのオフィス街では、ランチで街に出ると美人のパリジェンヌが大勢いてとてもハッピーだそうだ。フランス人もパリジェンヌにはあこがれるのは当然か。


クルーは、20代半ばと30代半ばが半分ずつくらいの構成で、普段は別々の船でレースをしているが、50フッターでのレースなので、今回、初めて一緒に集まってくれたメンバーだ。ヘルムのフィリップを敬愛して、両グループのメンバー達は集まっている。

フィリップはセイルメーカーの経営者だが、乗り手としても大変優秀なセイラーで、アドミラルカップで完全優勝したコルムチームのヘルムスマン。

レースでは原さんとメインセイルとメインのトラベラーを担当していたが、リリースが遅いとか、早く巻けとか常に注意されていたが、怒鳴ったりすることはなかった。常に冷静で信頼できるセイラーだった。

頭に来た時は、「もう一度、セイリングスクールに入り直してこい。」とだけ言うそうだ。

幸い僕は言われなかったけど、二度と一緒に乗ることもないからあえて言う必要もないか。


 1時ころMPROに帰り、船中泊としたが、夜中中もの凄い風が吹きつづける。地響きがするような風で係留したMPROごと飛んで行きそうだ。


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